ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

スロリーマンがマルチに勧誘?された話

同じ会社に勤め、共に仕事と言う名の人生の苦悩を味わってきた仲間がその職場に別れを告げようとする瞬間というのは、どうも悲しい物があります。しかしそれはそれで仕方がないこと。

仕方がないので、そんな時は憂歌団よろしく『胸が痛い』と叫びそうになる気持ちをぐっと抑えながら送り出して上げるのが正解でしょう。笑顔を浮かべながら「ガンバるんば!!」などと餞別の言葉を付け加えることができればなお良し。

 

ですが、新卒一年目の女の子に「投資家になりたいので仕事を今すぐ辞めたいです。セミナー勧誘のノルマだったり資金援助を募るためにも、早く退職しないとどうのこうの~」という具合のちょっと意味がわからないことを言われてしまっては話が変わってきます。こんな時は、救いの手を差し伸べるべきかもしれません。神妙な面持ちで「ん?君、頭大丈夫かね??」なんて言ってやればなお良し。

 

 


勤めている会社やバイト先を辞めるというのは、基本的にはその人の自由なので、判断もその個人に任せるべきだというのが私の考えです。個々にも様々思うところがあっての決断でしょうし。

 

勿論、辞めるに当たって周囲に振りまく迷惑が最小限のものになるよう、会社側と当人の話し合いの末、良いオトシドコロを探っていくというのは必要なことだと思います。

ですがそれと同時に、辞める理由だとか、その他の個人的な事情といったバックグラウンドに感情を左右されないよう気を付けなければなりません。冷静な判断を下すというのも、腐っても職場の先輩を務めてきた私の立場における最低限の礼儀ですからね。今回もそれを貫く覚悟でおりました。スロカスでも競艇狂いでも、一応は職場の先輩なのですから、その子の意見をきちんと尊重すべきだろうと。

 

しかし、今回のようなケースはちょっと……。思わず話を遮って「ヘイヘイ、ちょっと待ちなよ。一度その話は無かったことにして、ダンスフロアで踊りあかそうぜ」と、心にもない誘いをしそうになりました。

 


ざっくりと話を聞く限りでは、とある稼ぎの良い投資家の人と出会い、その人にすぐに仕事を辞めれば稼がせてやると言われたらしい。さらにはその人が主催するセミナーに参加してくれる人を集めてほしいとも言われたそうです。

私の解釈では「上手い話で色々とふんだくられそうなうえ、その挙句ネギどころか千両箱を抱えてやってくるカモを釣り上げてくるように指示された」ってことだろうなと。

悪の跳満どころか、ダブル役満までテンパイしている状態の新人女子社員。「それ、きっと騙されてるよん♪」と、馴染みやすさと親しみやすさを重視したポップな感じに助言してあげました。

 

しかしながらそれを指摘しても、彼女は聞く耳持たず、話も聞かず。ギラギラと目の奥に$マークを輝かせている。朝イチ良い番号を引いてしまったおかげで、普段あまり触らない絆の島に直行し、必死に上げ狙いが出来そうな凹み台を探す時の私と同じ目だ。

危険だ。かなり危険な状態と言える。

 

 

「私には夢があるんです。投資家になってウハウハしたいんですぅ」などと、豪華絢爛、自由なエンジョイライフを思い描いている様子の彼女。つまりは怪しげな物に荷担しようとしているのだなぁと確信した私は、ガンガン漂う危険な香りを感じながら、彼女に別の道を進めようと試みました。

 


熊井「この会社を辞めるのはいいから、せめて転職を視野に入れてですね……」


しかし、やはりダメ。何を言っても「就職はしない」「時間を自由に使いたい」を繰り返す。どうしたもんか……。

 


女子社員「熊井さんこそ、好きなパチスロだけで楽して過ごせていけたら最高だと思いません?」


熊井「知らないと思うけど、専業の人はきっと俺みたいなリーマンスロッターの数倍大変な思いでスロットを打っているんだよ。大変なんだよ」

 

女子社員「いや、私はそれが幸せだと思うんです。私は自分の好きなことをしながら生きていきたいんです」

 

熊井「好きなことで楽しんで生きていくとか、そんなことが出来るのはほんのごくわずか一握りの人だけだって。諦めて一緒にサラリーマンしよう」

 

女子社員「いや、私はそんな人生は嫌なんです。嫌なんですぅ!!」

 

 

あ、ダメだコイツ。何言っても聞いてくれない。もうこの話をさっさと切り上げたいわ。スロット打ちたい。

しかしそんな私のあきらめムードを察することが出来なかったのだろう。彼女は饒舌に自分のこれからするであろう「ビジネス(笑)」について熱く語り始めてくださった。

 

 

「私に出資してくれる人を募ってどうのこうの~……」

「その出資してくれた人に配当があって、その人の友達とかがまた私に出資してくれれば、紹介料としてプラスで配当がどうのこうの~……」

 

 

フゥー!!ゴリゴリのネズミ講じゃん!!

 

こんな話に騙されるような人がいるうちは、世の中も平和だ。私は少しホッとする(なんでだよ)。

 


しかし、なぜこんな話をなぜ私は聞かされているのだろうか。特筆すべきはこの話を聞かされているのが、休日だということ。いつもならパチスロ打つか競艇してるかのどちらかだ。まったく。プンプン。

 

あーあ、どうせネズミならゲッターマウス打ってたいわ。あ、久しぶりにゲッター打ちたいなぁ。

私は彼女の口から吐き出される胡散臭い話を半分以上聞き流しながら、以前スマホで撮ったゲッターマウスのリーチ目の写真を探す作業に勤しみました。お、あったあった。

 

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うんうん、いいねぇ。

 


「絶対に損しない、絶対に儲かる仮想通貨があってどうのこうの~……」

 

 


そんなものがあるなら苦労はしないんだよ。理論上設定1でも機械割103%のディスクアップ打ってた方がいいだろ。あ、ディスクアップ打ちたい。えっと、リーチ目の画像が何枚かあったな。えっと、どこかな。あ、あったあった。

 

 

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うんうん、カッコいいなぁ。

 

 

私は相槌を打ちながら、スマホリーチ目を眺めた。もういいよ、早く終わらないかなぁ話。


話はまぁまぁ長く続き、私のリーチ目コレクションが底をつくと同時に「熊井さんも私に3万あずけてくれませんか? 半年で5倍にして返しますよ」なんてことを言われたものですからもう流石に笑うしかありません。

 

 

………

……

 

 

 

結局何が言いたかったかというとですね、私は彼女に対して

「半年待たずとも、12万くらいすぐに稼げるわアホが」

と啖呵を切って速攻でパチスロを打ち、

4万負けたってことなんですよね。

 

 

マルチに誘われたスロリーマンがそれに腹を立ててスロットを打ち、コテンパンにやられたって話でした。ジーザス。

 

長々と失礼いたしました。