ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

7月7日実践記・その①

7/7。都内某所。早朝にもかかわらず暑さが体に纏わりつくその不快感に、私はやや顔をしかめながら駅のホームを歩いていた。


パチスロ打ちにとってその日が特別な日であることは言わずもがなであろう。今年の7/7は土曜日。仕事が休みで、打ちに行ける。これほど幸福なことはない。どうせならば、抽選負けを覚悟で、それなりに期待できるであろう店舗へと足を運びたくなる。


しかし、私はその前日、仕事の都合上一睡もできなかった。一睡もできないばかりか、朝イチから勝負するとなると、時間的に家に帰る余裕すらない。職場から寝ずに店に向かい、抽選を受けることになる。この日は友人であるエス君と共に打ちに行く予定だったので、仕事終わりに直接待ち合わせ場所へと向かう必要があった。私は疲れた体になんとか気合のムチを入れ、待ち合わせ場所へと向かっていた。

 

 

 

眠い。仕事で疲れている。ビールを一杯飲み、エアコンの効いた部屋で横になりたいというのが正直な気持ちだった。そんなことを考えているのならば、さっさと家に帰ればいいと思う人が大半だろう。

しかし、そんな睡魔なんて気にしている場合ではない。睡眠よりも優先すべきことがある。人間、一日くらい寝なくてもどうということはない。
寝るか、打つか。そんな葛藤を心に抱いていた時期というのは、とうの昔。休日なのだ。打つ以外の選択肢はない。

我ながら恐ろしい考えである。

 

 

私はエス君と駅で合流し、目的の店舗へと向かう予定だった。この日ばかりは、エス君も前日スナックに行くのは控え、7/7という特別な日に備えるという話をしていた。私とエス君は本気だったのだ。


しかし、待ち合わせ場所に現れたエス君は、どうも具合が悪そうだった。体調不良だろうか。聞くと二日酔いだとか。どうした、大丈夫か。スナック行かないって言ってたじゃないか……。


まあ、もうここまできてしまったのだから並ぶしかない。私とエス君は共に重い体を引きずるように歩きながら、二人で目的の店舗へと歩を進めた。


そして戦慄した。並びがすでに1500人を超えているではないか。


店の近くでは収まりきらない人が集まっている。私とエス君は店から5分ほど歩いた場所でようやく行列の最後尾にたどり着いた。


これは、大丈夫だろうか。抽選打ち切られるんじゃないか? 不安になる熊井。エス君はポカリスエットを飲みながら、二日酔いと戦っている。もはや味方は居ないに近似した状況だ。そばにいた店員さんの話では、並びは2000人を超えたとな。ちなみに、抽選は1500人までで打ち切る予定だと言っていた。整理券を今配っているところなので、ここまでそれが配られるかどうか、分からないとのこと。ありまぁ。舐めてたな、7/7を。世の中の打ち手の本気度を。


これはかなり不安だ。今からでも遅くない。別の店舗へと移動すべきじゃなかろうか。まして、仮に抽選を受けられたとしても、設置台数が400台程の店舗だ。抽選突破は結構厳しい。私はエス君にそれを提案するか迷った。彼はどう思っているのか。都内に限った場合、強さでいえば間違いなくこの店が上位に入る。並んで30分ほど経っているし、抽選くらい受けたいという気持ちが無くはない。どうするべきか。

 

しかし、ここでエス君から思いもよらぬ一言が。

 

 

エス君「おしっこ行きたい。もう結構限界」

 


この一言が私に決意させる。

 


熊井「よし、列を抜けよう。目の前で苦しんでいる友人を、俺は見ていられない」

 


ここぞとばかりにキリっととした表情でいう私。エス君もキリっとした表情を浮かべ無言でうなずき、トイレへと走っていく。
しめしめ。これでいい。今日は寝ずに打ちに来ているのだ。抽選漏れするくらいなら、どこか別の店で好きな台を打ちたい。

私とエス君は予定していたかなり強いであろう店舗をあきらめ、別の店舗へとむかった。

 

向かったのは、私が最近よく行く都内の某チェーン店。メリハリをつけたり全台系で出玉のアピールをするというよりは、全体的にベースが高めの店で中間設定が多め、且つ客層がソコソコ緩い店だった。朝からガッツリ打ちに来ている人というのはあまりいない。専業としてガチガチに立ち回っているような人も見かけない。にもかかわらず、見た感じでは沖ドキが全リセ。ジャグラーを含むノーマルタイプにちょいちょい高設定を投入している雰囲気の店だ。まあ、二の矢としては及第点だろう。


開店からはすでに一時間弱くらいの時間が経過している。軽く店内を見回すと、朝2のB狙いが出来そうな沖ドキが2台程落ちていた。が、そこはスルー。こんなに眠い状態で沖ドキを打ったら、マジで寝てしまう。そんな情けない状況は、いくらなんでも避けたい。

絆と番長3が満台。いつもよりもお客さんの量が多いのは、やはりこの特別な日を楽しみにしていたパチスロ打ちが多いということを裏付けている。いつもそこそこ回数が付いている不二子、最近増大して5台構成になったディスクアップを横目に、やや急ぎ足でバラエティーコーナーの『大神』を抑える。

 

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そう、実は朝イチの抽選をあきらめた時点で、私は好きな台を打つと決めていた。負けてもいい。いや、厳密には良くないのだが、最悪楽しめればそれでいいや。

 

ちなみにエス君は、二日酔いを癒したかったのか。大海物語4を確保していた。なぜその台にした。頑張ってくれ、アーメン

 


さて『大神』を抑えた私。睡魔はすぐそこまで迫ってきているが、そんなものは好きな台を打てばすぐに吹き飛んでしまうだろう。
そこそこ『大神』打っていた私には、なんとなくこの台における勝ちパターンがイメージ出来ていた。それがこちら


ボーナスを引くチャンスゾーンレア役ART頑張って継続・ボーナス引く→終了→チャンスゾーンレア役ART頑張って継続・ボーナス引く以下繰り返し……


こうするしかない。これがこの台における必勝法だ(これが出来ればどんな台でも勝てるだろ)。私は心でそのループをイメージしながら打ち始めた。

 

 

その②へ続く。