VS『パチスロマイケル・ジャクソン』その②
何はともあれ、私はマイケルに座ることができた。ほとんど情報を調べずに来たので、設定差なんかはわからないが、マイケル・ジャクソンという人間はそんなちっぽけな数値に左右される男ではない。すべてを凌駕する、キング・オブ・ポップなのだ。気にするな、熊井よ。まあとにかく、ARTに入れて、上乗せして、ジャックポットさせて完走すればいい。そういうことだ。
打ち始めて3千円。CBを引く。チャンスゾーン的な扱いのボーナス。調べると、期待度は約20パーセント。まあ、5回に1回くらいはARTに入るのか。CBが全設定共通で1/269。まあまあ重いな。
とりあえず、早めに当たるに越したことはない。これをサクッと入れてしまおう。
はい、入った。
あれ、簡単じゃん。あっという間にARTだ。確かARTは上乗せ特化ゾーンから始まり、初期ゲーム数を決めるはず。
「エクストラセブンラッシュ」
これがやりたかった。7をたくさん止めればいいんだな。
面白い。
面白い。
まあまあ乗る。なんだかやれる感じがする。初期ゲーム数が大きくもらえるのはかなり助かりますわ。ありがとう、マイケル。
上乗せ後はミュージックビデオを眺めながらの消化となる。基本的にはレア役なんかで「スター」を獲得し、特化ゾーンを目指す感じ。そこそこの頻度で演出が来るので、まあまあ飽きない。
しばらくすると、何やら偉い演出が。レア役かな?
下段にバーが揃った。ボーナスである。
これは確か結構設定差があるところだ。というか、この分母の大きいボーナス以外に設定差がある部分を私は知らなかった。上なのだろうか……。やや膨らむ高設定への期待。
その後もそれなりにコンスタントに引くものを引けた感じだった。上乗せもそこそこ。かなりイイ感じだ。順調に出玉を重ねて、1500枚を超えた。なんだ、やはり今日はマイケルの日だったんじゃないか。朝から他の島に行った人たちはきっと、このマイケルフィーバーを見てさぞ悔しがっただろう。
この台には確か、ジャックポットというものが搭載されており、それが最大の魅力であると謳っていた。有利区間1000ゲーム消化が確定した時点で、完走までのゲーム数を一気に上乗せするというかなり尖った演出である。つまり、1000ゲーム消化で500ゲームの上乗せが確定するということだ。ここまでくると、そろそろそのジャックポットが見えてきた。
ジャックポットカウンターは『999』から上乗せをするたびに減っていき、現在140。これが0になれば、およそ500ゲームの上乗せである。もう少し、もう少しだ。ここで引かなければ次のチャンスがいつ訪れるかわからない。
そんな必死の思いが伝わったのか、残り40ゲームを切ったあたりでサクラ柄(?)のプッシュボタンが。
中段チェリー降臨。
これはもらっただろ。恩恵はわからないが、たぶん大丈夫だと思う。
中段チェリーの恩恵だろうか、エクストラセブンラッシュに突入。思わず涙があふれる熊井。
そこで140ゲームを超え、ついに
ジャックポットを発動させた。
そこから600ゲーム近くは、ただ延々とマイケルのMVを見ながらの消化。私は感動で心を震わせながら、至福の時を味わっていた。大好きなパチスロを打ちながら、大好きなマイケルを見ることができた。ああ、できればムーンウォークタイムが引きたかったが、それはまた今度に取っておこう。
最終的に2616枚獲得。完走である。
本来ならばここで即ヤメが理想だろう。しかし心なしか、画面左のマイケルの表情が気合に満ちているではないか。
これは、彼がまだやめるなと言っている予感がする。続行だ。
するとどうだ。次に射止めたARTで
引いてしまった。もうこれ以上何も引きたいものはない。
ああ、こんなにもトントン拍子に進むとは。昔友人が「パチスロは愛で勝てる説」というものを提唱していたことがあった。当時の私はそれに対し『……彼は何を言っているのだろう?』と、言葉もなく首を捻るだけだったが、今の私ならそれにも強く頷ける。今日の私は、間違いなく愛で勝った。皆さん、パチスロは愛が大切です。