ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

至極の休日漫録

とある日曜日の話である。
土曜日に夜通し飲み、日曜日の朝方に帰宅した私が目覚めたのは午後一時を回ったくらいだった。そこから三十分ほどは布団の中でダラダラとし、遅めの朝食を取る。天気が良かったため洗車をしたり布団を干したりした後、もうひと寝入りする、という完璧な休日を満喫していた私。昼寝から目覚めたときの気分の良さは、もうこの世が終わってもいいというくらいのものだったのを今でも覚えている。


私が昼過ぎまで寝ていたり、ダラダラできたのは、日曜日にも関わらず競馬をする気がまったくなかったということに起因している。この日まで、メインレースのみに絞って軽く見積もっても十連敗以上していたため、レースを見る気にもならなかったのだ。「これが悟りではなかろうか」と予感したくらいの落ち着ききった心で、ダラダラしていたのである。
しかし、夕方五時ごろ昼寝から目覚めた私の中には「何も予定のない休日なのに、ギャンブルをしないなんてことがあっていいのか……?」という謎の脅迫観念が生まれ始めていた。先ほどの悟りの心はどこに行ってしまったのだろう。


「ふむ、まあ、しょうがないから一万円だけ……」と、しぶしぶパチンコ屋に向かう私。何にしぶしぶなのかは全くわからないが、とりあえずちょっと頭がおかしいということだけは今になってはっきりと分かりました。尚、この出陣には実の兄が付いてきている。

 

 

 
兄と共にスロットコーナーに向かう。正直、負けても構わないという気持ちだった(負けてもいいはずはないのだが)。いい台を見つけるためにふらふらしていたのだが、どうも目ぼしい台がない。五時過ぎにしてイマイチということは、恐らく設定は入っていない。熊井兄弟はどうしようか、と首を捻り続け、結局ほとんど回っていないパチスロブラックラグーン3』に並んで座ることにした。

五千円ほど打って、二人とも音沙汰なし。ボーナスはおろか子役すらほとんど引けない。二人同時に首を捻り、移動を決意。もはや首を捻るためにブラックラグーンを打ったのではなかろうか。首を捻りながら、『G1優駿倶楽部』に移動する。

 

このG1がなかなか良かった。お互い五千円ほどでARTに当選。兄はまこまこタイムにぶち込み上乗せを重ねる。私もまあ、MBに救われた感じだった。それなりに引いたほうだ。深追いをするつもりも、粘るつもりもない我々にとっては上々の出来である。

ノリ打ちということもあり、勝った分は折半。お互いトントン位でスロットを終えた。

 

時刻は夜の七時を回っている。兄は帰宅すると言った。普段の私ならば、間違いなく続行する場面ではあるが、この日は悩んだ。最高の休日を味わったその日の夜に、まあまあスロットで遊べたならばこの日は完璧と呼べる。ならば、今日はもう帰るべきなのではないだろうか?


しかし、駐輪場近くの出入り口からパチンコ『めぞん一刻~好きなのに…~』が見えたとき、私は妙にめぞんが打ちたくなった。結局私だけが残り、もうひと勝負することに。

「打っても五千円かな……」と、今日のラインである一万円の半額を想像しながらハンドルを握る。あっという間に四千五百円が終わり、五千円目。追加投資のため財布に手をかけた(どこが打っても五千円なのだろうか)時、不意にタイマー予告が出た。

 

まあまあめぞんを打っていた私は、この予告に少々驚いた。ほのかに奇跡の予感がする。が、しかし、表示はたったの15秒……。うーん、なんとも期待できない場面だ。
追い討ちをかけるように、タイマーで発生したのは「GO」。擬似連たったの一回。もう終わったも同然である。もう五千円打つしかないのか……、そう思っていると、一刻アタックに発展。一度も当たったことのない演出だ。


ボタンを連打して制限時間以内に住人を全員集合させると1ラウンド確変だが、この手の出来レース演出は当たったためしがない。どんなに一生懸命連打しても結果は同じなのだ。かといって一度もボタンを押さないというのはどうもスカしすぎだろうか。ここは外れることを見越して、軽くボタンを連打する感じがいいだろう。

 

そう考えながら、必死に、全力で連打する私。すると、タイムアップギリギリの場面で「ガオー」という鳴き声と共にトラ柄の卵が。「おお!激アツ!!」そんな瞬間的な思いとほぼ同時に、住人全員が揃った。確変突入である。
「すばらしい!!」私は心で叫び、その場で立ち上がりそうになった。女の店員さんが近くに居たので冷静を装っていたが、興奮せざるを得ない実にすばらしい展開である。兄に「確変」とだけメールを送り、Wウエディングラッシュの消化へ。

 

管理人さんの可愛さに気をとられていると、あれよあれよでいつの間にか12連していた。出玉は一万八千発ほど。上出来すぎる。時計を見ると、すでに九時半にさしかかろうとしていた。
「まあ、上皿だけ打って帰るか」と、余裕の表情を浮かべてドヤ煙草を吸っていると、ここでまたもやタイマーが。しかも表示は60秒。これはまさか……と思っていると、なんと擬似連が3回発生。つまり「×4」である。

「ん? これ、確定!?確定!?!?」とソワソワしていると、きっちり当たった。しかもチャレンジボーナス成功で、またもや確変である。

「ブラボー!!」私は立ち上がり、近くにいた女性の店員さんに握手を求めた。彼女がその握手に応じてくれたかどうかは覚えていないが、何はともあれまた確変の消化に入る。


響子さんの可愛さに気をとられていると、これがまたもや12連。残念なことに閉店による強制終了だ。しめて三万七千発なり!!
この勝利が私の心をおおらかにしたのか、週明け死ぬほど忙しかった仕事にも、「ありがたいなぁ」という気持ちで臨むことが出来た。あの頃ならば、どんなに理不尽な怒られ方をしても全くイラつかなかった自信がある。むしろ、「ありがたいなぁ」と思えたに違いない。

こんな具合に、休日の私は一喜一憂している。次回は私がここ最近で一番打っている番長3のことを書きたいと思っております