(4万負けた末に)『ピラミッドアイ』の押し順はなんなのか。
某日。パチスロという戦に挑む熊井シシャモ……。
熊井シシャモA
「……!!」
熊井シシャモA
「やはり今日は全台系ではなく、並びの固まりで入れていますね……。5台並びの高設定を探す方が得策です」
熊井シシャモA
「ここからはバラエティも視野に入れて、並びの高設定を意識して動きます。なるべく列の中央寄り、可能なら機種またぎを抑えてください。ダミーがあることも忘れずに。慌てず、慎重に稼働しましょう」
熊井シシャモB
「隊長! バラエティコーナーに弥生ちゃんの姿を発見!! 現在空き台となっている模様!!」
熊井シシャモA
「堪えてください!! 絶対に低設定です!!」
熊井シシャモC
「ウヒヒッ!! 上等上等ぅ~!! 低設定の方がAT伸びるっての!! 確保するぜぇ!!」
熊井シシャモA
「ダメです!! 撤退してください!!」
アナザーハナビ弥生ちゃん
『ズドドドーン』
熊井シシャモ
「うわぁあああああ!!」
マイナス30k
熊井シシャモD
「どうしましょう!! このままでは投資が……」
熊井シシャモA
「お、落ち着いて! まだ大丈夫です! ここからはしばらく見に回って、確実に高設定が期待できる台が空くまで待ちます。あるいは、ゾーン天井をハイエナもありです。慌てずに、じっくり攻めましょう。ここで取り乱しては、お店の思うつぼです…!!」
熊井シシャモE
「あっ!! タイバニが空きました!! あの台甘いんですよね!! こうなったら甘さに乗っかるしかない!! 行きましょう隊長!!」
熊井シシャモA
「ダメです。その台はCZヤメの台……低確に落っこちてる可能性がありますのでうかつに手をだしては……」
熊井シシャモF
「おおっとぉ~。低確とか別に関係ないじゃん。さっさと状態上げて、サクッとAT当てて、完走しちゃおうよ!! 確保しまぁ~す!!」
『ズガガガガーン』
熊井シシャモ
「ぐあああああ!!!!」
マイナス20k
………
……
…
某日。私は関東某県にて稼働を試みるため、自宅からおよそ30分ほどの店舗へと車を走らせていた。
11月にそこそこのマイナス収支を叩き出してしまった私は、この日どうしても負けたくなかった。年間収支をプラスで終えることを目標にスロットを打っているので、年末になるとどうしても慎重にプラスを積み上げたくなる。
普段は『今日は最悪負けても良い』と思うことも多々あるのだが、この日だけは違った。絶対に勝ちたい。いや、負けてもいい日があること自体どうかしているのだが。
私が店に着いたのは、10:20分くらい。当然抽選は終わっている。なんなら朝の入場も終わって、店員さんたちがちょっとホッとするくらいの時間だ。
完全に遅刻である。理由は寝坊だ。
何が「どうしても負けたくなかった」だ。ならばさっさと起きて抽選を受けろって話ですよ!!
だが前日まぁまぁ遅くまで、最近スマホで配信された『モンスターファーム』をやってしまったのだから仕方がない。おかげで私のベニヒメソウが四大大会を制することができた(知らねぇよ)。
この日向かった店舗は、ここ最近リニューアルし、休日にもそこそこ設定を使っている店だった。並びもボチボチで、朝並ばずとも何かしら台を確保できるのが良いところだ。
しかし、設定にメリハリがある店舗なので、中間設定が散りばめられるような配分にはなりにくいというのが私の見立てだった。ちょっとでもボーっとしようものなら低設定に死ぬほどお金をぶち込む羽目になってしまう。あるいは、その辺にポイポイお金を捨てることになりかねない(どういうことだよ)。
だが私は、寝不足なのかそれともベニヒメソウの四大大会での激闘に酔っていたのか、店で一番ボーっとしていた(なんでだよ)。お金をポイポイまき散らしながら入店した可能性すらある。
ボーっとしていた私です故、当然ながら大した理由もなく台を選ぶ。私は新台の『喰霊 零-運命乱-』を確保した。理由はカドの一台が空いていたからだった。居心地がいい。最早勝つ気なんてない。
ペシペシ打ち始める私。気が付くと2万円失っていた。
一瞬、マジでお金をその辺に捨てたのではないかと思ったほどだ。そのくらい何も起きなかったのである。実に静かな数時間だった。図書館にでも来ているのかと思った。
自分の席の周りに札が落ちていないことを確認し、自分でサンドにぶち込んだのだと納得せざるを得なかった私。唇をかみしめながら台を後にする。
私は店内を見て回る。番長3が明らかに盛り上がっていた。別積みパラダイスと言っても過言ではない。あまりの別積みの量に、通路が歩きにくいほどだ。
そしてなぜか、1台だけ番長が空いていたのだ。朝イチ500ゲームくらいで一度も当たっていない台だった。
「番長か……」
迷いに迷う私。普通であれば、この番長を打つべきだろう。高設定である可能性もあるし、500ゲームならば、まあ天井を視野に入れてもいい。しかし、私はこの日、日本で一番ボーっとしている自信があったため、大事な場面でベルが引けるとは思えなかった。
お祭り騒ぎの番長3の島で、のっぺりした表情の男がボンヤリと天井を踏み、単発で駆け抜けるビジョンが容易く想像できる。
「うむ、さすがに番長は危険だな」
私はキリッとした表情で私は番長を見送った。冷静な判断である(ビビっただけだろ)。
この回避を境に立ち回りに身が入ると思われた。思われたのだが……その後の私は誰よりも養分だった。
ガルパンGでAT2連を2回ほど。
(単発でないので救済であるチョビッとチャンスの抽選無し)
6号機サラリーマン金太郎でサラリーマンボーナス(赤七)を2回ほど。
(救いのないダメボーナス)
シメは政宗2で奥州ボーナスを1回。
(救いのない残念ボーナス)
追加で20本使う。
最早、お金をポイポイばらまいた方が良かったのではないかというような内容の稼働をキめ、焦り始める(遅いだろ)。完全に路頭に迷った。
そんな私の体中に電撃が走る。ふと、ある疑問が浮かんだのだ。
『ピラミッドアイ』はなぜボーナス中に押し順が出るのだろうか(頭おかしいだろ)。
冷静に考えれば、あの台はノーマルタイプだ。ということは、ボーナス成立後、押し順に従わずとも払い出しのあるベルは成立するはずである。
私はその疑問を解消したくてたまらなかった。幸か不幸か、その店には『ピラミッドアイ』が設置されている。
しかし、私はこの時点ですでに4万負けているのだ。そんなビハインドを抱えてすることではない。
しかし、考え方を変えてみよう。
すでに4万負けているのだから、何か成果が無ければこの日の稼働の意味がない。では、その成果とはなにか。
収支だろうか。しかし、その日の収支はもう絶望的である。下手に荒い台に行けば、より負債を増やす可能性が高い。何より、今日の私はどんな台でも勝てる気がしない。
では、ピラミッドアイならばどうか。少なくとも、大負けは無い。その上、自分が疑問に思っていることを解消できる。一石二鳥か(そんなわけないだろ)。
これはもう迷う必要が無い。私は意気揚々とピラミッドアイを確保した。
……
…
で、結論からいいますね。
ピラミッドアイはボーナス中、押し順ナビが出ますね。払い出し15枚のベルを獲得するため、一見従わなければならない雰囲気すらある。
しかし、こんな具合に
無視しても、
きっちり15枚の払い出しを受けることが出来ました。
当然、別の押し順でも
大丈夫でした。
あの押し順は意味ないっぽいですね。ずっと順押ししてましたけど、きっちり払い出しを受けることが出来てましたので!!
ああ、また一つ疑問が解消され、賢くなった気がする。
今度合コンで「ピラミッドアイ押し順は無視しても良いのだよ」と、女の子たちに教えてあげたい。きっと、女の子たちはその事実を知らないはずだ。びっくりするに違いない。
……。いや、マジで何してんのかわかんないですね。 尚、ピラミッドに追加投資したので合計44kのマイナスとなりました。
ささ、年末ですので。皆さん気合入れて稼働していきましょうね!!
お疲れっした。現場からは以上です。