ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

スランプ脱出軍記(VSアレックス)

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都内某所……

雨の降りしきる中、「熊井シシャモ」とその友人「エス君」は立ち尽くす。

 

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エス「で、いつまで弥生ちゃんを打っているつもり? そんなことをしているから、アホみたいに負けているのではなくて?」

 

 

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熊井シシャモ「…フン。どうとでも言え」

 

 

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熊井シシャモ「俺が今あの台を回さないならば、誰が回すんだ。かわいそうじゃないか、弥生ちゃんが」

 

 

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エス君「ホント、どうしようもないわね。バーサスでもハナビでもいいから、少しは負け分を取り返す努力をしたらどうかしら?」

 

 

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熊井シシャモ「『機械割100%超え』ってか。リプレイはずしすらたまにミスるんだ。俺が打ったところで、100%を超えるわけがない」

 

 

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エス君「なら、しっかりと高設定を探すべきね。もしくは、ゾーン天井狙いを徹底する。ゴールデンウィークは普段打たない人が来ていることが多いのだから、おいしいゲーム数で落ちている台は多いのよ? そのくらいは気づいているでしょう?」

 

 

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熊井シシャモ「やれやれ。分かってないな。その手のハイエナなんて、俺たち以外のもっと上手い人たちがやっているさ。もう一つ言わせてもらえば、まるで俺が高設定狙いをしていないような口ぶりだな。そんな失礼なことは言わないでほしいね」

 

 

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エス君「ほう?」

 

 

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熊井シシャモ「高設定狙い。すなわち、設定看破は必至。その台が高設定であることを見抜くために、様々な看破要素をカウントしたり、特定の台に狙いをつける。その上で、低設定であるならば早めに見切らなければならない」

 

 

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熊井シシャモ「打ち込んでいる機種や得意な機種であれば、その看破スピードはより速まる。つまり得意機種を打つというのは、見切りを早めるということに等しいってことだ」

 

 

 

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エス君「…まさかとは思うけどアナタ、『アナザーハナビ弥生ちゃん』に高設定が多数投入されていると思っているの?」

 

 

 

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熊井シシャモ「……ギクッ」

 

 

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エス君「『弥生たぁ~いむ』の声がたまらん!なんてくだらないことを言っている人間が設定を意識して弥生ちゃんを打っているとは到底思えないのだけど」

 

 

 

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熊井シシャモ「……ギクギクッ」

 

 

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エス君「いい加減目を覚ましなさい? 言い訳は聞きあきたわ。弥生ちゃんの高設定は、他の機種の高設定に比べて明らかに少ない。あなたが今打つべき機種はなんなのか、しっかりと考えるべきだと思うけど」

 

 

 

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熊井シシャモ「まったく、手厳しいな。分かっているさ」

 

 

 

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エス君「あなたがいくら負けようが、私には関係ない。けれど、いくら何でも二人で休日に打ちに行くときの店選びに『弥生ちゃんが設置されている』という条件が加わるのだけは避けたいの。分かる?」

 

 

 

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熊井シシャモ「分かったよ。ならば、手始めにノーマルタイプを打つとするさ。どうせ今の俺ならば、高層ビルをぶち建てて終わりだけどな」

 

 

 

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エス君「……何を打つつもり?」

 

 

熊井シシャモは意を決したように、エス君に背中を向ける。

 

 

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熊井シシャモ「甘めのノーマルで、かつ俺が好きな機種を打つさ。まあ、見ていてくれ。弥生ちゃんは、5000円くらいしか打たないよ」

 

 

 

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エス君「(あいつ、今日も負けるな……)」

 

 

 

 

と、いうことでとりあえず、家の近くにある店で甘めのノーマルタイプを打つことに。

 

とりあえず昼過ぎに入店して、もはや諸悪の根源と言っても過言ではない『アナザーハナビ弥生ちゃん』を確保する。まだ懲りていないのだ。

朝200ゲームくらいで単発を引いて、300ゲーム付近でやめられている台だった。

 

「とりあえず5000円だけ……」

 

そう思って打ち始め、いつの間にか10000円使う。当たりすら引けず、唇をかみしめながらの撤退。ここまではいつも通りだ。

 

その後、パチスロギャラガ』『ビビッドレッド・オペレーション』を何の根拠もなく打ち、さらに10000円を投資。持ちメダルは0。ほとんど絶望的な状況だ。

 

ここで気が付く。今日はノーマルタイプで少しでも取り返しに来たのだった。

 

私はあわててアレックスを確保。1000ゲームちょっとでビッグを4回引いている台だった。

まあ、どうせ1だろう。サクッと500枚くらい出して、勝った気分になって帰ろう。私は半分以上、この日の収支はあきらめていた。収支とは長い目で見なければダメだ。1日単位の収支を気にしていては、年間収支のプラスは見えてこない。

 

……ならばなぜ『ギャラガ』やら『ビビッドレッド・オペレーション』なんぞを打っているんだという話なんですけどね。そもそも弥生ちゃん打つなって。しかし、そんな当たり前のことを言われても困る。そんな意地悪は言わないでほしい(意地悪じゃないだろ)。

 

 

とりあえず打ち始めると、思いのほかコイン持ちが悪い。羽が落ちない。これは非常に危険だ。アレックスはコイン持ちが良いイメージだし、高設定ならばその動きが顕著に表れる。

勿論移動も考えた。しかし、ノーマルに空き台が無い。空いているのは、圧倒的に低設定臭のする『ツインエンジェルブレイクA』だけ。同じく低設定ならば、アレックスを打つしかない。

 

 

私の決意に呼応するかの如く、300ゲームちょっとでボーナスを引く。

 

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これがビッグ。とりあえず投資が止まる。とてもうれしいです。

このビッグを皮切りに、急にボーナスが連続。

130ゲームでレギュラーを引いたのち、100ゲーム以内のビッグが4連続。さらに100ゲーム台でのビッグを2回引いた。

 

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下皿をあっという間に抜け出し、ドル箱に手がかかる。これはいい流れだ。やめ時さえ見誤らなければ、とりあえずは大丈夫。ある程度のコインをもって辞められるはずだ。

 

念のため、羽の数値を確認。1000ゲームくらい回して、羽が1/15.3。

うーん、悪い。知ってたけどね。

 

 

さて、いつ辞めようか…。

 

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あ、あれ?変だな……。

 

 

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ん?んん??

 

合算1/120…? おいおい。高設定っぴなの?

 

ボーナスが止まらない。終いにはボーナス中、

 

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2以上確定である。

 

とりあえずは、とりあえずは打てる台であることが確定する。アレックスが好きな私にとっては好都合であったが、どこかで大きなハマりが訪れる予感はする。アレックスは、突然ハマる台だ。高設定はコイン持ちの良さでそれを回避できるが、現状羽は悪い。すなわち、コイン持ちがそんなに良くない。

 

このままの勢いで打ちつつければ、かならずいつか飲まれる…。そんなことを念頭に置きつつ辞め時を探っていたのだが、あれよあれよとボーナスが連続する。ハマらない。ハマらないのだ。

順調にボーナスを重ね、

 

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合算良くなってるやんけ。

ホントどうした?俺の知ってるアレックスちゃんじゃないんですけど……。

 

これは最早、設定云々ではない。愛だ。弥生ちゃんにうつつを抜かしていた私に、アレックスが教えてくれているのである。「あの女にあれ以上騙されてはいけない。私ならもっと、あなたを楽しませることが出来る」と。

 

そうともなれば、私にはもうアレックスしかない。ありがとうアレックス。愛しているよアレックス。

 

 

一級建築士の名の元、まずは荒れ果てた土地をならしたといったところか。こんなにもきれいな平地を作ったのはめちゃくちゃ久しぶりだ。高層ビルを建てずに現場を後にするとは……。

何ならビッグに寄ったおかげで、すげー助かった。

 

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獲得3300枚。はぁ~しゅきしゅき~

 

 

これはもう、スランプを抜けたと言っても過言ではない。この後もアレックスで3連勝を決めている。ありがてぇ。やっぱりアレックスだわー。

 

 

投資21000

回収63500

 

 

(;´・ω・){こうなってくると、弥生ちゃんやらギャラガやらが悔やまれるんだよなぁ…}