VS『戦コレ![泰平女君]徳川家康』その②
周囲の挙動が超良好の『戦コレ![泰平女君]徳川家康』を打つ熊井。全台系の設定配分に期待が持てる中、初当たり後に3回連続で1周期目の初当たりを引き当てる。期待感は驚異的なほど増していた。
「高設定か……」
私はにやけ顔でため息をつく。
「ったく、しょうがないなぁ……笑」的な、そんな感じでレバーを叩く私は、この時点で快勝を予感していた。いや、快勝どころではない。大勝だ。3000枚クラスの出玉を得て勝つのだ。それがこの日に私が自らに課した条件なのだ。
現段階での出玉はドル箱半分と下皿に並々。立ち上がりが良好が故、私はこの下皿の出玉を移すタイミングを常に図っていた。いつだ。いつ移そうか。この時の私には、持ちメダルが増え続けることしか頭になかった。グラフが右肩上がりになること以外、私には想像できなかったのだ。
前回の続きになります。
甘い。実に考えが甘い。そんなに上手くいくはずがないというのは、こうしてブログの記事を書いている今現在であればあっさり予想できること。
しかし、なぜだろう。いざパチスロを目の前にしてしまうと、そんな冷静さはぶっ飛び、超絶ポジティブシンキングを繰り広げる。いや、違う。これはクズティブシンキングだ。
そんなクズティブシンキング真っ最中の私は、自分の台の高挙動に気を取られながらも、周囲の台をチェックすることだけは欠かさなかった。有頂天であり、クズティブであり、天狗になっているいる自分の中に残されたわずかなスロッターとしての冷静さが、その行動をとらせていたのだと考察できる。
と、ここで隣の台が完走を決める。隣の台が、だ。
うーん、楽しそうだ。羨ましい。普段なら若干の嫉妬心すら抱く場面だが、この日はちょっと状況が違う。私は心の中で称賛の拍手を送る。全台系が狙える設定配分が予想できる場合、いつもの嫉妬は喜びに近いものに変わる。
普段ならライバル的なポジションになるほかの打ち手ですが、全台系を意識している場合はまったくその状況が変わってくる。仲間。仲間である。この日、戦コレに座っている人たちはみんな仲間だ。
私は完走を決めた隣のお兄さんに「うむ、ナイスだ!」と笑顔で頷いて見せた(気味悪いだろ)。精いっぱい喜びと優しさを伝えようとする私(怖すぎるだろ)。なぜなら我々は仲間なのだから(そう思っているのお前だけだろ)。
しかし、そんな私の仲間意識は伝わらなかったのか、彼はチラリと私のことを横目で確認し「見なかったことにしよっ☆」的な雰囲気でプイっと自分の台へと視線を戻してしまった。
仕方がなく私も自分の台の消化に勤しむ。とにもかくにも、一応は高設定である可能性が浮上している台だ。軽い初当たりが期待できる。
シナリオに嫌われてしまったとしても、そのうちどこかで何かしら起きるはずだ。そう、この台の高設定とは天国ないし早い初当たりでその場を凌ぎ、いつか訪れるであろうまとまった出玉を待つ。私はそんな感じだと予想した。
いつか来るいいシナリオを待つ私。まずは早い初当たりが……
342ゲーム。7周期目。
いきなり出鼻をくじかれる。私は思わず「ひゃぁあ~!!」と叫びながら椅子から転がり落ちた。
慌てて座りなおす。しかし、これまたなかなかハマったな……。持ちコインで何とか乗り切ったものの、下皿を使い切りドル箱を膝に抱えての消化になった。
まあ、仕方がない。いくら高設定だろうと、こんなこともある。これでまたある程度コインを確保できれば……。
単発である。
「うっひゃぁぁあああ~!!」
ひっくり返る私。これはいけない。
嫌な予感がする。しかし、相変わらず周りの挙動は良好。続行だ。続行だが……。
次の当たりは118ゲーム。2周期目。
109枚。単発!
108ゲーム。2周期目。
107枚。単発!!
303ゲーム。6周期目。
124枚。単発!!!
68ゲーム。1周期目。
117枚。単発!!!!
304ゲーム。6周期目。
84枚。単発だぁ!!!!!
ここにきての単発地獄。地味にダメージが蓄積される。じわじわと効いてくるボディブローのような展開。コイン持ちの良さが手助けし、なんとか持ちコインでやりくりしているが……。調子よくドル箱に移したはずの出玉が、放っておいても増えていくことを見越した出玉が、いつの間にか無に帰っていた。
そろそろなんとかしてもらわないと厳しい。戦コレよ。君も私をもてあそぶのか。
次の当たりが239ゲーム。5周期目。
ここで5連。472枚獲得。久しぶりの連。楽しい。
いやいや、そんな悠長なことを言っている場合ではない。なんとかしろって。
581ゲーム。12周期目。ハマるぅ~!!
3連295枚。
はぁ、はぁ……。これ無理じゃねぇかな?
私は近くにあったギルティクラウンが空き台になったのを見て、かなりの後ろ髪をひかれた。打ちたい。ギルティクラウンが打ちたい。RT状態がどうのこうのはきちんと理解できていないが、それでも十分に楽しさを秘めている台だ。打ちたい。打ちたいのだが……。
戦コレ。私はこの台を何とかしなければならない。今はギルティクラウンで楽しんでいる場合ではない。コイツをねじ伏せないことには始まらない。
そんな決意を秘めた続いての当たり。238ゲーム。5周期目。ついに……。
完走だ。ようやく来た。
涙が私の頬を伝う。感動と感謝。正の感情により、私は涙を流した。
低投資で済んでいたので、しっかりプラス域まで収支を戻す。しかし、周囲の台に比べると私の台はどうも見劣りすることは明白だった。
あって4かな……。
私はそう結論付ける。これがもし6だったとすれば、きっと私と戦コレの相性は最悪だ。そういうことだ。どう頑張っても大勝はできないと生まれた時から決定していたのだろうよ。
その後未練打ちをし、102ゲーム2周期目で初当たりを引いたが、あっさりと単発。完走の満足感と単発地獄の恐怖を掛け算し、圧倒的な恐怖を感じた私は、その台から身を引くことにした。
まあ、悪くはないかな……。650枚ほど出玉を流す。これ以上打つのは危険だ。
あと、このチャンスゾーン。みこみこチャンスなるものが全く突破できなかった。
毎回こうやって手を合わせて謝ってくるもんだから、「まぁしょうがないかなぁ……ニヤニヤ」ってなっちゃう。勘弁してよ、もう……。最終的にこの日、5回みこみこチャンスに入り、一度も突破できなかった。悲しい。悲しい。悲しい。
ちなみに、グラフはこんな感じ。
なんとか勝った。勝ったが、どうも消化不良であることは否めない。この後、別の店舗でアレックスを打ち、しっかり2万負けた。いっつもこうだ。もうヤダ。
しかし、島全体が高設定挙動だったことは勿論のこと、隣の台が私の最初から最後まで超絶高設定挙動だったのが印象的だ。また打っちゃうだろうなぁ。隣、6だったんでしょうよきっと。私が心折れた時には、隣は3箱持ってたもんな。あんな台を打てたら、きっと私はションベンを漏らす。あんなに当たりが軽く、ガンガン継続させて、完走も何度もキメている。打ちたい。朝私もあの台に座ればよかった。
いつか必ず、戦コレの6、『ゴッドレジェンドモード』をツモってやるぞ……。
私は心にそう誓ったのである。
そして、それからしばらく戦コレを打ち、4連敗。めちゃくちゃに負けているのでした。
投資6000
回収11500