ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

VS『パチスロ黒神 The Animation』その①

 

『おしおし、ようやく入店か……。もうメインは無理。となると、バラエティか。よし、しょうがない。バラエティか小数台設置コーナーだ。うわ、人がヤベェ。いや、でもまだ空き台があるな。えっと、台番号末尾7が空いてれば無条件でそこなんだけど、やっぱり無理かぁ。全部埋まってらぁ。ここまでくると最早なんでもいいんだよなぁ。好きな機種に座れればそれに越したこと無いけど。とりあえず一周してみてから……。あれ、さっきまで空いてたのに弱ペダ埋まってるじゃん。やべぇ。メイン所の確保が出来なかった人がいっぱい流れてきた。ああ、やばいやばい。空き台無い。アクエリオンEVOLが空いてるけど……ダメだ取られた。あ、これマジでヤバい。ギルティクラウンは、ダメか取られてる。戦コレ2も無理。なんだよロボットガールズまで埋まってるじゃん。マジで?
あ、あった空き台。あっぶねー。僥倖だわ僥倖。圧倒的僥倖。押さえろ、とりあえず押さえろ。あ、うーん。これかぁ……。もうしょうがないか。これで行くしか無いわ』

 

 

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以上が私の朝の華麗な台確保までの道のりで感じていた心境である。ごらんの通り、人の多さに焦って、狙いもクソもないのです。いっつもそうだ。ちっとも成長しない。

ちなみに、赤字の部分は私が実際に声に出してしまった部分だ。とても恥ずかしい。

 

 


ということで、この日はバラエティのパチスロ 黒神 The Animationを確保。打ちたかったのは鏡だったが、抽選でしっかり負けたのでダメでした。
およそ500人の並びで、ニュッと吐き出された入場整理券に表示されていた番号は498番。まるで聞仲が崑崙十二仙を瞬殺した時(マンガ封神演義の話です)と同じくらいの絶望を感じ、早くもバラエティ勝負を心に決めたのでした。


まあ、しょうがないさ。台がとれただけオーケーだろう。この店はバラエティーにもそこそこ使ってくれる。もしかしたら、偶然ツモれている可能性も無くはない。

しかし、黒神か……。

 

この台、何度か打ったことはあるが、さっぱり勝ち方が分からない台だった。確か、今の聖闘士星矢的な感じだよね。そこそこ重いバトルを引いて、そのバトルに勝ったらART的なやつ。ただ、そのART中もかなりムズい的なやつなんだよなぁ。最初の特化ゾーンがもはや勝負になる的なやつだ。

そんな的な台なので、私はとても恐怖を感じておりました。今日はいったいいくら負けてしまうのだろう。この台がダメだったとして、この稼働状況だ。そう簡単に移動が出来るとは思えない。となると、ツッパるのか、黒神に……。

ちなみに、途中で辞めて帰るとか、そんな勝ち組の発想は、私の頭には微塵も存在しない。朝から打ちに来て早めに切り上げて帰路につくことができるほど、私の精神力は強くないのです。満足するまで打ちたい。それがたとえ、負けると分かっている勝負でもだ(やめとけよ)。

 

 

この台パチスロ黒神 The Animationは『ブラックゴッド・バトル』なる初当たりから、純増1.8枚のARTである『黒神遊戯』へと突入させる仕様だ。初当たりのバトルを引いて、そのバトルを突破しなければならない。初戦が約10ゲーム。ここで勝利することが出来れば、2戦目に突入。2戦目以降は4~7ゲーム継続し、勝利するたびにARTのゲーム数が上乗せされて、さらにバトルが継続していくという仕組みである。つまりは初戦を突破しなければ話にならないのだ。


ちなみに気になる勝率は、1セット目が約30%2セット目以降は一応75%以上らしい。初戦を突破すると、平均上乗せが100ゲームを超えてくるなんて話だから、夢はある。しかし、私はこれまでの経験上、初戦すら勝てる気がしない。
すでに私はこの台に怯えていた。ビクビクしながらレバーを叩く。すると……。

 

 

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投資5本。148ゲームでバトルに突入。

 

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あっさり負ける。

 

 

追加2本。199ゲームで再びバトル。

ここも負ける。

 


さらに追加2本。114ゲームで三度目のバトル。悪くない流れだ。

でも、負ける。負けるんだよなぁ。

 

 

「無理か……」私はポツリとつぶやく。わずかに目頭が熱くなり、それと同時に負けを予感した(早すぎるだろ)。店内の稼働は良好で、移動先などない。この台に追加投資を余儀なくされるのだ。
苦しい。勝つための道筋がまったく見えてこない(もうやめろよ)。やはりこの台で勝てる気がしない。どうしたらいいのだろうか。


「すみません!! 私はどうしたらいいんですか!?」


隣でギルティクラウンを打っているお兄さんにそう聞くことを決意する。しかしお兄さんはそんな私の雰囲気を察してか、ヴォイドチャンス中にスイカのイチ確目を出し、どうだと言わんばかりに左リールだけを止めて離席してしまった。くそぅ。聞けなかった。残念極まりない。

 


ああ、この日も私は夢すら見せてもらえないのだろうか。夢を見るためのハードルが高いのは分かる。しかし。しかしですね。そのスタートラインにすら立てていない私のヒキは一体どうなっているのだろうか。


すっかり元気をなくした私は、悲しい表情でレバーを叩き続けた。上田正樹氏の『悲しい色やね』は名曲である。今の私がこの曲をペロリと歌い上げれば、きっとスナックで人気者になるに違いない。今度スナックに行ったら絶対に歌おうと心に決める(知らねぇよ)。

 

もうしょうがない。どうせ勝てないんだ私はこの台で。しかしながら、せめて一度はARTに入れないと納得がいかない。やれるやれないではなく、とにかく一度は何か起こさなければ、この台に座った意味がないだろう。私の目標はこの時点で『ART突入』へと下方修正された。


この後『悲しい色やね』を口ずさみながらの消化中(やめろよ)、217ゲームでバトル。追加4本。コイン持ちに助けられる熊井。「えへへ、コイン持ちいいなぁ」と、僅かな幸福に思わず笑みがこぼれる(笑ってる場合じゃないだろう)。

 

ちなみに、バトルに勝つ気などさらさらなかった。リセットされていればバトルの初戦敗北天井が10回から6回に短縮されるので、もうそこしか見えていなかったのである。で、それを駆け抜けて、帰りに駅で蕎麦でも食って帰るのだ。その蕎麦がウマいことだけを祈ろう。
そんな私に思わぬ事態が起こる。

 

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勝ったのだ。


「えっ? 勝てるの?」


私は思わず口にしてしまう。まさか勝てるとは思っていなかったのだ(勝てるだろ)。

 

総投資が13本という奇跡。これならばまだ戦える。
そんな希望に胸を弾ませていると、このバトルが続く続く……。

 

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終いには、

 

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おっ??

 

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あああああっ!!!!

 

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キタキタ!引いたじゃん、なんか偉い奴!!

 


黒神はこれを引かなければ始まらないと聞いている。『ブラックゴッド・インパクト』。確かSTタイプの特化ゾーンで、平均上乗せ400ゲームとかじゃなかったか??

 

初体験の起爆トリガーに胸を弾ませる。

 

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平均には届かなかったが、まぁまぁ頑張った方だ。

 

この後も地道にセコセコとバトルを継続させる。結果は、

 

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ふふふ……。

うふふふふふ……。

 

もらった。勝ったな。

 


「蕎麦じゃなくて、まさかウナギが食えるのではないか……??」

 

私の目標が『ART突入』から『ウナギを食べる』に変わった瞬間だった。

 

 

 

その②へ続く。