ゼロゲームやめが出来るまで

パチスロが好きなんですよ

軍団に挟まれた私

何の気もなく、ただ偶然に、結果として軍団に挟まれるような形になってパチスロを打ったことがある。私が友人のエス君と共に、ちょっと郊外へパチスロ遠征に行った時の話だ。


車を走らせること1時間強。車内ではエス君がスマホとにらめっこしながら、ネットの情報と店のラインナップを確認し、何の台を打つか思案していた。私は前日のうちからまどかマギカ2』に狙いを絞っていた。特定日に全台系を投入するという噂を聞いていたので、設置台数や機械割を考えて『まど2』あるんじゃね? という選択だった。


あ、あと俺まど2好きなんすよ。えへへ。


打ちたいという強い気持ちが9割。勝つためにという気持ちは1割くらいか。

ああ、正直なところただ打ちたかっただけだ。

 

 


訪れたのはスロットの設置が600台を超えるそこそこ大きなホールだ。
朝の並びは200人ほど。抽選を受け、私は70番、エス君は55番だった。

よしよし、そこそこの番号だ。

 

入店と同時に、颯爽とまど2を抑える熊井。5台構成のまど2の島をサッと眺め、前日一番へこんでいるであろう台を抑えた。
ちなみに場所は、

 


〇〇〇〇

 

この、赤丸に位置する場所。ちょうど真ん中である。

意図せずド真ん中の台を確保したのだが、これが熊井を思わぬ状況へと導いてしまう。

 

 

台を確保し、一通り店内を見て回った後、自分の台へと戻ると、まど2の島はすでにすべて埋まっていた。全員が若めの男性だった。

打ち始めてすぐに夕方ステージへ移行した。とりあえずは変更かな?
他の台はどうかな。チラリと周りのまど2へ視線を移す。


「……んっ?」

 

なんだろう。なにか違和感が……。
妙な雰囲気だ。それもそのはず。自分以外のその島にいる全員が、

 

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こんな感じの白い手袋を着用しているではないか。

なんだこれ。偶然だろうか。

 

 

「…流行ってるのかなぁ、最近」

 


そんなことをぼんやり思う熊井。

さらに不思議なことに、その白手袋をしている全員がなぜか子役カウンターを出している。

 


「え、まど2でそれ使うの?」

 


私は混乱した。動揺を隠しきれず、吸いかけの煙草をくわえているのに、また新しい煙草を箱から出そうとしてしまう始末だった。なんだろう、そういう地域なのだろうか。

 

 

しかし、打ち始めて数分。彼らが私を間に挟みながら会話を繰り広げているのを確認し、これが噂に聞く軍団というやつではなかろうかと思い始めた。

 

というのも、彼らが話している内容というのが、盗み聞く限りではかなり真面目な話だったのだ。


熱い演出で友達同士が盛り上がっているという感じではなく、他の島の状況がどうとか、向こうで誰々が何を確保しているとか、私とエス君では到底しないであろう、ある種きちんとした話をしているのである。

 


ちょこちょこと席を立ち、店内の状況を確認しているであろう手袋軍団。そんな中、ド真ん中に腰を据えてまど2を打つ私。気分はまるで、軍団長そのものだった。情報収集は人に任せ、自分は自分の狙い台をしっかりと判別する。疑似軍団体験である。

 


その手袋軍団の人たちは、特に何か迷惑だったとか、ルール違反をするわけではなかったので、それほど不快ではなかった。しかし、どうしても彼らがそれぞれの台に置いている子役カウンターだけが気になる。ユニメモのクイックスタートでいいんじゃないか? それとも私の知らない何か理由があるのだろうか。うーん、分からん。

 

 

いやいや、何にせよ、軍団が確保しに来た島だ。これは期待できるんじゃなかろうか。もしかして、全台系がココである可能性がかなり高いのでは?
ああ、ありがたいなぁ。今日はもらったかな? 勝った勝った。よかった。


………
……


そして数時間後。私以外の全員、つまり手袋軍団の面々は、誰一人としてその島に残っていなかった。ほぼ全員が早々に、まど2から立ち去ってしまったのである。

ちなみに、私も当たり前のように負けた。なんだったんだアイツら。いかにも勝ってますと言わんばかりの雰囲気だったくせに。騙されたじゃないか。くそぅ(完全に八つ当たりである)。