VS『大神~回胴編~』その②
『熊井調べ・設定1』の大神を打つ熊井。
前回の続きになります。
持ちメダルは1000枚ちょっとある。この出玉を増やしていくことが出来れば……。
いや、贅沢は言うまい。この台はおそらく1。現状維持……いやそれもちょっと厳しいか。とりあえず投資分くらいは残すべきだな。いや、でもこの台面白いし……。500枚くらいは残して、別の台に移動して……。
かなり緻密な計算(何も緻密じゃないだろ)をしながら打つ熊井。ダラダラ打ってしまうのが一番良くない。どこまで、という基準が必要だ。
特に5・9号機には天井がない。この台には500ゲームのチャンスゾーン天井があるが、そこを目指すというのはいくらなんでも厳しい。
慎重に、計算しつつ打つ熊井。あっさりと出玉を飲まれる。
やむなく追加投資を余儀なくされる(全然やむなく無いだろ)。数回ボーナスを引いたが、いずれもリプ重。ボーナス中、終了後の示唆は相変わらず通常パターンと奇数示唆が大半を占めている。
これはどうしたものか。傷が浅いうちに終わろう。また今度打ちにくればいい。15本負けだったらまだ助かった方だ。やめろよ、これで。もう最後の千円だからな。1万5千円でやめろよ。
そう心に誓う。しかし気が付くと、私の投資は20本を迎えていた。
なぜそう何度も誓いを破ってしまうのか。だからお前はいつまでたってもゼロゲームやめが出来ないんだろうが。もうこれでやめろよ。通勤用定期券買うためのお金なくなるぞ。
窮地に追い込まれる。定期代をサンドに突っ込むべきか。大きく揺れる私の心(もうやめろよ)。しかしその不安定な状態を救ってくれたのは、意外にも先ほどまで私に鋭い牙を向けていたオオカミ、いや大神だった。
20本目で引いたビッグボーナス。このボーナス後のチャンスゾーンからARTにぶち込む。よし、ラストチャンス。これをなんとか伸ばしたい。
レバーを叩く手に力がこもる。危なげなくARTは継続していき、ビック、バケと引く。さあ、ここからだ。これは流れが変わった気がする。
そして迎えた4セット目。
この対戦相手がウシワカだった。
これはチャンス! これで勝てば再び天照覚醒だ。
勝ちました。ありがとう。ありがとう大神。
これは大逆転が見えてきた。正直もう腰が痛い。なんならちょっと眠いし。タバコが不味くなってきた。具合悪くなってきてるんじゃない? マジでラストチャンスだからな!! 伸ばせ、このARTを!!
ボーナス、引き戻し。順調に伸ばしていって、
まあ、頑張ったんだけどね。こんなもんだよ。
結局ART終了後も面白さに負け、夢中になって大神を打った。展開が良く、グラフも上向く。サクサクボーナスを引ける。ART終了後のチャンスゾーンで驚異的なレア役の引きを見せ、四回引き戻すという僥倖なんかも相まって、最終的に
こんなグラフに。なんだこれ。
持ちメダルはギリギリ2000枚を超えた。見ての通り、1000枚くらいのプラス。まあ、勝てたのだから良い。
いや、ごめんなさい。面白い。面白いじゃん大神。5・9号機いけるじゃん。
ひとつ、ちょっと気になったことを書くと、この台ART終了時にチャンスゾーンに突入するのだが、そこでレア役なんかを引けばARTへの復帰が見込める使用になっており、そこでの引きが獲得枚数にかなり影響してくる。
私もこのチャンスゾーンでの引きに助けられ、収支をプラスへと持ち直すことに成功したのだが、このチャンスゾーンがどうやら有利区間として扱われていないようだった。
5・9号機には有利区間を示すランプがあるのだが、それが点灯している間が有利区間となる。パチスロ打ちならば知っているだろう、いわゆる『打ち手にとって有利に働く区間』のことを有利区間と名称づけて分けているのだが、この区間は連続で1500ゲームまでと決められている。ARTはもちろん、ほとんどの機種はそのARTを抽選しているチャンスゾーンも有利区間と判定されることが多い。
しかし、この大神。どうやらチャンスゾーンが有利区間として区分されておらず、チャンスゾーン中はその有利区間ランプが点灯していない。つまり、ART終了後必ずそのチャンスゾーンに突入するので、うまくいけば連続して有利区間をやり直すことができる。これは、5・9号機における『一撃枚数』の限界を大きく超え(厳密にはどう評価されるのか分からないが、チャンスゾーンの引き戻しに成功すれば獲得枚数は引き継がれた)、大量の一撃枚数を記録できるということになるだろう。
これが大神を面白いと思った理由の大きな要因で、私は食い入るように大神を打ち倒すきっかけになった。5・9号機に感じられなかった一撃性を感じさせ、わずかに残したその『夢』が、私の心にぐっと来たのである。
この台、かなり面白い。5・9号機の中ではトップクラスに楽しめる台だと思う。設置台数が少ないのが残念だが、しばらくはこの台にお世話になりたいと思える台だった。
もしよろしければ、是非触ってみていただきたいです。本当に良くできている台だと思いますので!!