強ガセ
スロッターにとって『強』という一文字がどれだけ重要なものなのか、パチスロを打たない人にはなかなか理解できないことでしょう。スロッターは皆『強』という言葉が好きだと思います。とても大切にしているのです。
『強チェリー』『強スイカ』『強チャンス目』
ああ、なんて素敵な響き。私はこの字面だけでテンションが上がりそうになる。病気に近い。
「なんのこっちゃワレ」
と、ご立腹の方もいるかもしれません故、軽く説明しておきますと、スロットには子役というものがありまして、スロッターは回転するリールを止めて、その子役を成立させて遊んでいるんです。
その子役にも良いモノと、そんなに良くないモノがあるんですけどね。
『チェリー』や『スイカ』は、まあ良いモノにあたるわけですが、その良いモノにも『強』と『弱』があって、もちろん字の通り『強』の方が強いのです。偉いのです。スロッターは『弱チェリー』よりも『強チェリー』の方が好き。ただこれだけのことです。
ちなみに読み方は『つよちぇりー』ではなく『きょうちぇりー』。『つよすいか』ではなく『きょうすいか』。
同様に弱い方は『じゃくちぇりー』『じゃくすいか』と。
まあ、普段接する機会のない単語なので覚えなくても問題なんて1ミリもないのですが。
「スイカとかチェリーとか、なんだよ急に果物の話をしやがって。弱いも強いもあるか。わけがわからん」
と、以前スロットを触ったことがない知人に言われたことがあります。まあ、そうだよね。分かりますよ、ええ。
しかし、スロットを打つ人にとってこの『強・弱』というものがとても重要なのだ。きっとこの文章を読んでくださっているスロッターの人は、強く頷いてくれていることでしょう。
意味は分からないまでも、きっと理解はできると思う。
例えば『強・マイクタイソン』と『弱・マイクタイソン』がいたら、当然『強・マイクタイソン』を選ぶはずだ。そっちの方がいいだろう。『強・高見盛』と『弱・高見盛』でも同じことが言える。『強・棚橋』『弱・棚橋』も、きっとみんなが『強・棚橋』を好むはずだ。
そう、そういうことなのです(どういうことなんだ)。
しかし、そんな『強』の中にも、ちょっと困ったものがある。
それが『強ガセ』だ。
熱い演出で外れる。簡単に言うとこういうことなのですが、それだけの条件では単純に「ついてないなぁ」で納得できてしまう可能性がある。そうではなく、やたらと派手な演出で熱いフリをするくせに、なんだかわからんけど良くガセる。
そういうものを私『強ガセ』と呼んでいるのです。実はこれ、かなりバランスが難しい。
早速ひとつ紹介すると、これ。
こんなん当たってると思うじゃんか。沢山降ってきてね。外れるんだよ。
これは何度か見た演出なのだが、ほとんどが普通にチェリーが成立しただけで終わった。もちろん『強ガセ』と認定することにした。
同じく不二子で言えば、タイプライターのガセなんかも怪しい。『強ガセ』にも思える。しかし、あれはちょっと違う気がする。
演出は派手で申し分ないが、あの演出自体がすでにルパンシリーズの代名詞といってもいいようなモノだ。なので『強ガセ』とは言えない。「ああ、マジか。外れるのか」くらいだ。
ヤマサのケロット柄なんかもかなりいい線いってたと思います。特に鉄拳2ndのケロットはかなり『強ガセ』だった。良く外れたし。
しかし、ちょっと地味でもある。もう少し大げさな感じが欲しい。惜しい(何がだ)。
さあ、ここまでダラダラ書いてきたが、私の思う至極の『強ガセ』を発表したい(もはや誰も興味ないだろ)。
それがこれだ。
まどマギAの『子猫をキャッチ演出』である。
これは文句ない。完璧な『強ガセ』だ。
レバーオンと同時に出る、巨大且つ派手な音。何の予兆もなく急に始まる演出に、打ち手は心を躍らせる。間違いなく熱いと思わせるその演出。しかし、余裕で外す。
「えっ? あんな派手な音出たのに何も無いの? 復活?」
そう思ってレバーを叩けば、ほらもう通常時だ。あっという間に通常時。打っている本人がビクッとするくらい超ド派手な音出して、ガセるんですよ。
(ちょっと調べてみたのですが、どうやらこの演出の期待度50%くらいあるらしいです。マジかよ)
「今のは何だったのか……」
打ち手にこう考えさせるのが『強ガセ』の真骨頂である(何をいっているんだよ)。
ちなみに、上の画像は唯一この『強ガセ』で当たった時の写真です。
確定一枚役。狙ってみるもんですね。