炸裂!二毛作戦法:その2
この一日目をなんとかモノにしたい熊井。レバーを叩く手に力がこもる。
夕焼けの煽りが出た。おい、行けよ。マジで頼む。二回目の煽り。来てる、来てるよ。持ってこい、BB対決、おまえだよ。来いよ、頼むぞ!!!!
三回目の煽りが出た。轟のシルエットが神々しく映り込んでいるではないか。BB対決だ。
「ブラボー!! ブラボーだよ!!」
私は思わず立ち上がった。隣のオッサンが驚いた表情をこちらに向けていたが、今はそれどころではない。大チャンスだ。
実際はまだスタートラインにすら立てていないのだが、そんなことはどうでもいい。起爆トリガーになりうるフラグを持ってくる可能性がある、という権利を得たのだ。ここからはもう、己のヒキである。
私は一打一打、祈るように叩いた。そして出てきた対決はチャッピーラグビー。無くはないぞ。おい、分かってるんだろうな、貴様。おう、お前のことだぞ熊井よ。ここで持ってこれないようでは貴様に番長3を攻略は出来ない。自信満々にレインボーラインを本命にしているくらい競馬はダメなのだから、スロットでくらい良いところを見せてみろってんだよ(JCの話です)。
頼むぞ! さあ、気合いを入れろ! セイッ!
『プォーン』
1ゲーム目、奇跡の効果音有り。涙があふれる。
弁当を引いた。これはもらった。まだ油断はできないが、もういいだろう。
次ゲーム、ベル。もう大丈夫だよね? 外さないよね? 持ってきたでしょう? レインボーラインのことは忘れていいよね?(JCの話です)
3ゲーム目、リプレイ。大丈夫、大丈夫。絶対大丈夫。私は第三停止後のボタンをグリグリとねじり、意を決してボタンを離す。
ザ・勝利。BBである。
「おお! エクセレントォ!! エクセレントォ!!」
私は叫ぶ。隣のオッサンは私に軽蔑のまなざしを向けていたが、きっとそれは私がレインボーラインを本命にしていたことに対する物だろう(何度も言いますが、JCの話です)。
この番長ボーナスが何を意味するのか、説明は不用だろう。かいつまんで言えば、ボーナス消化後に沢山の対決が出来るのだ。ここで沢山ストックをして、沢山メダルが手に入るのだ。ニヤニヤが止まらない。私はきっと次もレインボーラインを買う(年末に控えていた有馬記念の話です)。
BB消化中に二個ストック。豪遊閣と合わせて、3つは確定。うむ、この調子だ。さらにここで沢山対決が来るぞ。
この対決連打で、ループも合わせ4つほどストック。上出来すぎる。とりあえずは何とかなりそうだ。一息ついたがすぐに夕焼けの煽り。おや? なんだ? どうした?
再びBBの煽りだ。轟大寺に移行し、なんとこの対決も勝利。BBを獲得。ここでは七揃いは無く、その後の対決でまた2つ乗せ。すばらしい。理想的すぎる。
順調に継続していく。BBも何度か絡み、いつの間にか出玉は二千枚を越えた。二毛作戦法、大成功。ここまでくればノリノリである。
そんなこんなで、その後訪れた轟大寺。余裕の表情の熊井は、やや眉をつり上げる。
「しゃーねぇからここも取っとこうかな」
そんなことを考えていると、なんと紫のナビが出た。
「あ、紫だ。あわわ。あわわ」
これは確か、確定対決じゃなかったっけ? 確定対決の時に出やすいんだっけ? ちげぇな、裏? なんだっけこれ。
曖昧な記憶だったが、確かそんな感じだった気がする。
しばらくして、巌との対決に発展。勝利。BBである。さらに、それが
『カカカカモーン!!』
絶頂対決だった。思わず腰を浮かせる熊井。私が腰を浮かせたのとほぼ同時に、隣のオッサンがたまらず席を立った。彼には悪いことをした。有馬記念の本命はレインボーラインだと教えてあげれば良かった(有馬はレインボーラインできっちり負けました)。
絶頂対決では6個乗せ。平均くらいだが、絶頂は入れることに意味があるのだ。なんの意味なのかはさておき、ここからどんな展開になってしまうのか、ちょっと自分でも怖いくらいだったが……。
その後はなんの見せ場もなく、ただなだらかに終了。
最終獲得枚数が3459枚だったので、まあ良しとしよう。
二毛作戦法は完璧に成功した。すべてはレインボーラインのおかげだろうか。しばらくはこの馬を買い続けるだろう。ありがとうレインボーライン(最後も競馬の話です)。